私の息子が幼稚園に入園する時のエピソードです。私の息子は幼い頃発達面に心配があり、明確な診断はなかったものの「落着きがない」「2歳で二語文しか喋らない」「石や砂を食べてしまう」等があり、発達障害を疑わざるを得ない状況でした。そんな中での幼稚園探し。地元の幼稚園は当時2年保育で、発達が心配な息子を早く集団に入れて刺激を与えたいという思いから3年保育の幼稚園を探しました。探し始めた当初は「空きがあれば入れるだろう」と安易な考えでしたが、その考えは見事に崩れました。ある私立幼稚園の園長先生は、落ち着きのない息子を見て明らかに怪訝そうな顔をし、2度目にお会いした時には「療育に通うことが入園の条件です」と言われました。たった数時間息子を見ただけなのに……。まだ2歳の息子は「右向け右」と言われると、必ず右を向かないといけないのか……と帰り道に息子の手を握り涙をぬぐいました。そんな時にインターネットでふと見つけた私立幼稚園。ギリギリ通える範囲で、少人数制の保育に惹かれ、親子で見学に行きました。一通り施設を見学した後、園長先生との面談がありました。私も主人も包み隠さず息子の発達面が心配であることをお話し、入園を断られる覚悟で「落着きがないので、特に年少のうちは運動会などは厳しいかもしれない」と話をしました。すると園長先生は「お母さん、何を言ってるの?動かない子どもなんて逆に怖い。人形じゃないんですから!」と笑い飛ばし「子どもが落着きがないのは当たり前!指示に従うだけの子どもなんて子どもじゃないですよ」と仰ってくださいました。その言葉で私たちはその幼稚園に入園を決め、息子はのびのびとした優しい先生方と色々な性格のお友達に囲まれて3年間を過ごしました。そんな息子も、もう6年生。まだまだ心配は尽きませんが、素晴らしい幼稚園に恵まれたおかげで、人一倍優しい男の子に成長しました。あの時の園長先生のお言葉は、今も私の中で大きな支えとなっています。
Posted in未分類