幼稚園の先生との優しき時間

幼稚園に3年くらい通っていました。毎日楽しくお友達と遊んでいたような気がします。その中でも1番好きだったのは紙芝居を見るお時間でした。「今回は何のお話かな?」とわくわくしながらいつも楽しみにしていました。おとなしくて内向的な子どもだった私は、先生と積極的にお話しした記憶はあまりありません。なので先生が話しかけてくれた時はとても嬉しかったことを覚えています。ある日のこと、紙芝居をしまっているお部屋の前で、扉のガラスのところに私がおでこをくっつけてそのお部屋の中にある紙芝居をガン見してのぞいていたところに先生が通りました。おそらく先生は驚いたと思うし、「この子は一体何をしているのだろう?」と思ったと思うのですが、先生は優しく「紙芝居好きなの?」とおっしゃいました(←この想像力、さすがです!)。私は小さく「…うん」と答えました。先生は「そう!」とおっしゃって通り過ぎました。その数時間後、その日は紙芝居のお時間はない日だったのですが、先生が紙芝居のお時間を作ってくださいました。私の方をみて優しく微笑みながら。それがとても嬉しかったです。今思えばスケジュールを変更するのは大変だったろうと想像できます。こうして文章を書きながら当時のことを思い出し泣きそうになっています。先生、あの時は本当にありがとうございました。